クールな御曹司の蜜愛ジェラシー
入学式で見たスーツ姿が印象的だったけど、今の彼はシャツにニットを重ね着して、黒の細身のジーンズという組み合わせは上品だけれど年相応に感じる。
まじまじと見つめる私に対し、彼はまっすぐな眼差しで、こちらを見下ろしてくる。あ、意外と、背が高い。女子としては身長がある方だと自覚しているので、ついそんなことを考える。
けれどすぐに雑念を振り払って私はぎこちなく携帯をしまった。
「ううん。地元だけど実家は大学から少し離れてるから一人暮らしなんだ」
発言して、はたと気付いた。今のはどう考えても余計な情報だった気がする。
「そうなんだ」
けれど、彼は気にする素振りもなく返してきたので、私は早口に彼に伝言を頼むことにした。
「あの、ごめん。先に帰ったって伝えておいてもらえるかな?」
料金は前払いだったし、もうそろそろお開きになる頃だろうけど、なんとなくあの場に戻りづらい。すると彼もなにを思ったのか自分の時計を確認した。
「なら、送っていくよ」
そして、まさかの提案に私は目が点になる。続けてすぐさま大袈裟に首を横に振った。
「い、いいよ! そんなに遠くないし」
「そういう問題じゃないって。女の子ひとりで帰せないよ」
「いやいや、女の子なんて柄じゃないから」
さっき一馬に言われたことを自分でも口にする。でも事実だ。必死に拒否する私に、桐生くんは呆れたようにため息をついた。
「柄とかそういうことじゃない。まぁ、迎えに来てくれる人がいるなら無理強いはしないけど」
こちらにまっすぐに視線を向けてくる彼に、私は言葉を詰まらせる。
まじまじと見つめる私に対し、彼はまっすぐな眼差しで、こちらを見下ろしてくる。あ、意外と、背が高い。女子としては身長がある方だと自覚しているので、ついそんなことを考える。
けれどすぐに雑念を振り払って私はぎこちなく携帯をしまった。
「ううん。地元だけど実家は大学から少し離れてるから一人暮らしなんだ」
発言して、はたと気付いた。今のはどう考えても余計な情報だった気がする。
「そうなんだ」
けれど、彼は気にする素振りもなく返してきたので、私は早口に彼に伝言を頼むことにした。
「あの、ごめん。先に帰ったって伝えておいてもらえるかな?」
料金は前払いだったし、もうそろそろお開きになる頃だろうけど、なんとなくあの場に戻りづらい。すると彼もなにを思ったのか自分の時計を確認した。
「なら、送っていくよ」
そして、まさかの提案に私は目が点になる。続けてすぐさま大袈裟に首を横に振った。
「い、いいよ! そんなに遠くないし」
「そういう問題じゃないって。女の子ひとりで帰せないよ」
「いやいや、女の子なんて柄じゃないから」
さっき一馬に言われたことを自分でも口にする。でも事実だ。必死に拒否する私に、桐生くんは呆れたようにため息をついた。
「柄とかそういうことじゃない。まぁ、迎えに来てくれる人がいるなら無理強いはしないけど」
こちらにまっすぐに視線を向けてくる彼に、私は言葉を詰まらせる。