クールな御曹司の蜜愛ジェラシー
対する私、片岡(かたおか)優姫は、これといった特技や資格があるわけでもなく、仕事は卒業した大学にそのまま就職して事務をしている。
肩下まである髪をアッシュブラウンに染めたのはつい最近の話。身長は百七十弱と女性にしては高い方だけれど、モデルのように華があるわけでもスタイルがいいというわけでもない。
さらに、女性らしさというか、可愛さが足りないのも十分に自覚している。見た目においても内面においても。そんな私が、住む世界がまったく違う彼とこういう関係になっているなんて。
そっとベッドから、見上げる形で幹弥の横顔を盗み見る。相変わらず外見は文句なし。けれど、次に彼が取った行動に私は思わず目を見張った。
「煙草、吸うんだ」
幹弥は、慣れた手つきで火をつけると、長い指を煙草に添えて紫煙を燻らせる。私の驚いた声を受け、彼はこちらに顔を向けた。その顔はやっぱり笑っている。
「ああ、付き合いで、たまに」
知らなかった。当たり前だ、彼と知り合ったのは十年前だけど、そのときは未成年だったし。なによりずっと会っていなかったのだから。
そういえば、再会したときに眼鏡をかけていたのにも驚いた。『賢そうに見えるだろ?』なんて笑っていたけど、整った顔立ちの幹弥にはよく似合っていて、貫禄が増した気がした。
まるで、知らない人みたいだった。
『本当に昔から変わらないよね、優姫は』
彼に言われた言葉が頭にリフレインし、私はシーツをぎゅっと握りしめる。
肩下まである髪をアッシュブラウンに染めたのはつい最近の話。身長は百七十弱と女性にしては高い方だけれど、モデルのように華があるわけでもスタイルがいいというわけでもない。
さらに、女性らしさというか、可愛さが足りないのも十分に自覚している。見た目においても内面においても。そんな私が、住む世界がまったく違う彼とこういう関係になっているなんて。
そっとベッドから、見上げる形で幹弥の横顔を盗み見る。相変わらず外見は文句なし。けれど、次に彼が取った行動に私は思わず目を見張った。
「煙草、吸うんだ」
幹弥は、慣れた手つきで火をつけると、長い指を煙草に添えて紫煙を燻らせる。私の驚いた声を受け、彼はこちらに顔を向けた。その顔はやっぱり笑っている。
「ああ、付き合いで、たまに」
知らなかった。当たり前だ、彼と知り合ったのは十年前だけど、そのときは未成年だったし。なによりずっと会っていなかったのだから。
そういえば、再会したときに眼鏡をかけていたのにも驚いた。『賢そうに見えるだろ?』なんて笑っていたけど、整った顔立ちの幹弥にはよく似合っていて、貫禄が増した気がした。
まるで、知らない人みたいだった。
『本当に昔から変わらないよね、優姫は』
彼に言われた言葉が頭にリフレインし、私はシーツをぎゅっと握りしめる。