クールな御曹司の蜜愛ジェラシー
交代で投げるとどうしても時間がかかる。私は自分の順番以外は、コースの後ろのベンチに座って、どこか他人事のようにみんなが投げるのを見つめていた。
そしてワンゲーム終え、優勝したチームに形ばかりの拍手が送られる。
そのとき、ゼミ内でもムードメーカーで今回の幹事も務めてくれた浜田(はまだ)くんが「ここでみんなに重大発表があります」とわざとらしい口調で告げて、注目を集めた。
すると、浜田くんはなぜか私のそばにいた一馬に目配せし、自分のところに来るようにと促す。それを受け、渋々……でも嬉しそうに浜田くんの元に行く一馬に、私は色々と悟った。
一馬が浜田くんの隣に並んで、同じようにみんなの方を向く。それが合図のように浜田くんは声を張り上げた。
「実は、ゼミ内でカップルが誕生しました!江頭一馬くんと、細川真紀さんです」
何人かは知っていたのだろう、どっとその場が湧く。そして周りからの後押しを受け真紀も前に出ていく。
やっとくっついたか、と私は息を吐く。グループ内では、ほぼ公認のようなものだったけれど、お互いになかなかはっきりとした言葉を言わなかったらしい。
真紀とは大学に入学して最初のゼミ交流会で仲良くなった。いつも朗らかで、おっとりしているけれど、自分の意見はしっかり言うタイプで私とも気が合った。
誰もが振り返る美人、というわけではないけど、十分に可愛らしい。一馬が彼女を選んだことが、なんとなく嬉しかった。
先に真紀から報告を受けていたけれど、付き合いだしたのは二週間ほど前からだと説明されている。照れながらも祝福を受けるふたりを温かい目で見る。
そしてワンゲーム終え、優勝したチームに形ばかりの拍手が送られる。
そのとき、ゼミ内でもムードメーカーで今回の幹事も務めてくれた浜田(はまだ)くんが「ここでみんなに重大発表があります」とわざとらしい口調で告げて、注目を集めた。
すると、浜田くんはなぜか私のそばにいた一馬に目配せし、自分のところに来るようにと促す。それを受け、渋々……でも嬉しそうに浜田くんの元に行く一馬に、私は色々と悟った。
一馬が浜田くんの隣に並んで、同じようにみんなの方を向く。それが合図のように浜田くんは声を張り上げた。
「実は、ゼミ内でカップルが誕生しました!江頭一馬くんと、細川真紀さんです」
何人かは知っていたのだろう、どっとその場が湧く。そして周りからの後押しを受け真紀も前に出ていく。
やっとくっついたか、と私は息を吐く。グループ内では、ほぼ公認のようなものだったけれど、お互いになかなかはっきりとした言葉を言わなかったらしい。
真紀とは大学に入学して最初のゼミ交流会で仲良くなった。いつも朗らかで、おっとりしているけれど、自分の意見はしっかり言うタイプで私とも気が合った。
誰もが振り返る美人、というわけではないけど、十分に可愛らしい。一馬が彼女を選んだことが、なんとなく嬉しかった。
先に真紀から報告を受けていたけれど、付き合いだしたのは二週間ほど前からだと説明されている。照れながらも祝福を受けるふたりを温かい目で見る。