クールな御曹司の蜜愛ジェラシー
やめときなよ。そんな叶うはずもない相手に恋心を抱くのは、本気になるのは。結果なんて見えているのに。傷ついて、気まずくなるだけなのに。
森さんの話を聞きながら、隠して、蓋をして、必死にやり過ごしているだけの自分が訴えていたのも事実だ。
私はぐっと唇を噛みしめてうつむく。そして絞りだすようにカラカラの声で告げた。
「そう、だね。私が口を出す事じゃなかった、ごめん」
マイクを回収してさっさとここを後にしよう。そう思って私は無言で段の上に上がって彼に、教壇に近づく。わざと幹弥の方を見ないようにしていたのに、置かれているマイクに手を伸ばしたところで、その手が取られた。
おかげで反射的に彼の方を見る。
「誰かのため、なんて本当に気分悪いけど、優姫がお願いしてくれるならきいてあげるよ」
「え」
手を掴まれたまま、私は間抜けにも固まってしまった。幹弥の顔には先ほどの冷淡さはなく、苛立ちつつも、どこか困ったような表情にさえ見えた。
「ほら。俺にどうして欲しい? 優姫が望んでいることを言ってみろよ」
理解できない。今さっき口を出すな、という旨を言ってきたくせに。でも、まっすぐな瞳が私を捕え、余計な言葉を封じ込ませた。
「……彼女に、森さんに連絡しないで。というより学生さんに、必要以上に講義のこと以外で関わったりしないでほしい」
幹弥も自覚があるだろうけど、彼の魅力に本気になる人間は数知れない。彼が思う以上に大学生はまだ子どもだ。私も今だから言えることだけど。
森さんの話を聞きながら、隠して、蓋をして、必死にやり過ごしているだけの自分が訴えていたのも事実だ。
私はぐっと唇を噛みしめてうつむく。そして絞りだすようにカラカラの声で告げた。
「そう、だね。私が口を出す事じゃなかった、ごめん」
マイクを回収してさっさとここを後にしよう。そう思って私は無言で段の上に上がって彼に、教壇に近づく。わざと幹弥の方を見ないようにしていたのに、置かれているマイクに手を伸ばしたところで、その手が取られた。
おかげで反射的に彼の方を見る。
「誰かのため、なんて本当に気分悪いけど、優姫がお願いしてくれるならきいてあげるよ」
「え」
手を掴まれたまま、私は間抜けにも固まってしまった。幹弥の顔には先ほどの冷淡さはなく、苛立ちつつも、どこか困ったような表情にさえ見えた。
「ほら。俺にどうして欲しい? 優姫が望んでいることを言ってみろよ」
理解できない。今さっき口を出すな、という旨を言ってきたくせに。でも、まっすぐな瞳が私を捕え、余計な言葉を封じ込ませた。
「……彼女に、森さんに連絡しないで。というより学生さんに、必要以上に講義のこと以外で関わったりしないでほしい」
幹弥も自覚があるだろうけど、彼の魅力に本気になる人間は数知れない。彼が思う以上に大学生はまだ子どもだ。私も今だから言えることだけど。