吹恋
―8月―
コンクール当日。
楽器の移動の関係もあり、コンクール会場へは二手に別れて向かう。私は先発隊だった。先発隊は先生が勝手に「しっかりしてる人」
を選んだのだ。メンバーは8人で私、平山先輩ホルン、慎太郎先輩ホルン、萌ちゃんチューバ、部長ペット、和也先輩トロンボーン、小川先輩クラ、風香先輩サックスだ。
電車の駅までは車で送ってもらう。8人だが、先生の車に平山先輩。残り6人を3.3にわけた。私は萌ちゃんと慎太郎先輩。もちろん助手席には萌ちゃんが座るわけで…こんなことは言ってはいけないが、車は狭かったので先輩との距離が触れそうなほどに近かった。
チラリと先輩を、見ると先輩もチラリと私を見る。そして二人で笑っていた。
「ICOCAはじめてやから練習しとこ!和也も!」
「え、俺も?なんかはずいわ、田舎もんっぽい」
「りさちゃんの後ろ汗かいたおっさんやからもうちょっとこっちおいで。よかったら場所かわろか?」
電車は満員。朝の8時、通勤ラッシュだ。
「移動が出来ないです…」
「私が守ってやろう!」
「はっこの声は!Mrs.風香!」
そういうと風香先輩はすっとそのおじさんと私の間に手をいれた。
「これでよし!」
などとコソコソ話してると。先生に
「やめなさい」
と怒られてしまった。
コンクール本番
気合い十分に挑んだものの、今までの練習よりも下手くそ。パーカッションと管楽器がずれている。私もミスをしてしまった。
結果は私たちは会場ではなく、学校で知った。3年生のみ会場に残ったのだ。
結果は…奨励賞だった。奨励賞か優秀賞の二択だ。やはり人数が25人しかいないから?パーカッションがずれていたから?いろいろ考えたが、頭をよぎるのは私がおかした失敗。
先輩は私に
「誰のせいでもないとはいいきれへんけど、リサちゃんだけのせいじゃないから。そんなに重たくとらえんと…」
「でも…先輩は今日が最後のコンクールで…なのに…」
「仕方ないんやって。これが俺たちの実力やったってことやん。な?」
「…」
こうして私達の青春だったコンクールは終わった。ここからは9月の文化祭に向けて練習が行われた。
コンクール当日。
楽器の移動の関係もあり、コンクール会場へは二手に別れて向かう。私は先発隊だった。先発隊は先生が勝手に「しっかりしてる人」
を選んだのだ。メンバーは8人で私、平山先輩ホルン、慎太郎先輩ホルン、萌ちゃんチューバ、部長ペット、和也先輩トロンボーン、小川先輩クラ、風香先輩サックスだ。
電車の駅までは車で送ってもらう。8人だが、先生の車に平山先輩。残り6人を3.3にわけた。私は萌ちゃんと慎太郎先輩。もちろん助手席には萌ちゃんが座るわけで…こんなことは言ってはいけないが、車は狭かったので先輩との距離が触れそうなほどに近かった。
チラリと先輩を、見ると先輩もチラリと私を見る。そして二人で笑っていた。
「ICOCAはじめてやから練習しとこ!和也も!」
「え、俺も?なんかはずいわ、田舎もんっぽい」
「りさちゃんの後ろ汗かいたおっさんやからもうちょっとこっちおいで。よかったら場所かわろか?」
電車は満員。朝の8時、通勤ラッシュだ。
「移動が出来ないです…」
「私が守ってやろう!」
「はっこの声は!Mrs.風香!」
そういうと風香先輩はすっとそのおじさんと私の間に手をいれた。
「これでよし!」
などとコソコソ話してると。先生に
「やめなさい」
と怒られてしまった。
コンクール本番
気合い十分に挑んだものの、今までの練習よりも下手くそ。パーカッションと管楽器がずれている。私もミスをしてしまった。
結果は私たちは会場ではなく、学校で知った。3年生のみ会場に残ったのだ。
結果は…奨励賞だった。奨励賞か優秀賞の二択だ。やはり人数が25人しかいないから?パーカッションがずれていたから?いろいろ考えたが、頭をよぎるのは私がおかした失敗。
先輩は私に
「誰のせいでもないとはいいきれへんけど、リサちゃんだけのせいじゃないから。そんなに重たくとらえんと…」
「でも…先輩は今日が最後のコンクールで…なのに…」
「仕方ないんやって。これが俺たちの実力やったってことやん。な?」
「…」
こうして私達の青春だったコンクールは終わった。ここからは9月の文化祭に向けて練習が行われた。