初恋は、許されない恋でした。
『うぁーーーっ』

窓越しにだけど麻生君はなんとなぁく嫌そう。

先輩だからあっち行け~とかは言わないみたいなんだけど。


それが一つの救いだなぁ。
会いに行く勇気すらない私が言えたことじゃないんだけど。


晴瑠「……いちごみるく……」

『いちごみるく?!晴瑠ーっ、ちょーだい!ちょーだい!!』


晴瑠「ほれ、これ飲んで機嫌直しな。」

『やっぱ晴瑠天使~っ、ありがとっ』


晴瑠「……単純。」

いちごみるく!!
それは私の大好きなジュースです!!

一気に機嫌が良くなった私は晴瑠の言葉を左から右の耳へそらしていちごみるくを飲み始めた。


『美味しいーーっ
晴瑠ー、もう1本!』


晴瑠「私はパシリじゃない。」


冷静な晴瑠のツッコミも慣れてきた
朝の8時。
毎日こんな会話続けてます。


『いちごみるく飲む?』


晴瑠「……いりませんとも。」


そう。
晴瑠はいちごみるくが嫌いなんだよねぇ…、ていうか甘いものが嫌いなのかな?


いっつも苦い苦いブラックコーヒーを飲んでるんだよね

あれ1回飲んだことあるけどちょっと死ぬかと思ったよ?
あれ人間が飲む飲み物じゃないと思うの。うん。


かず「俺が全部貰ってやろーか?」


いつの間にか私の後ろにいた幼馴染の
かずこと

西林 一希漢字(にしばやしかずき)
がヒョイっと私のいちごみるくをとってきた。

『あっ!!私のいちごみるくが!!!ちょっとかず!返してーーっ
私の命よー帰っておいでーーっ!』



ポンポンと飛んでみるが153センチである私はまた伸びたらしい182センチのかずの手には届かない。


ちぇっ
とりあえず私は諦めてジーッと晴瑠の方を見る。


晴瑠「自分でなんとかしてちょうだい。」


う……。

ですよねぇ。
晴瑠は私よりも身長が高くてかずの頭一個分ちっちゃいだけだから届くはずなんだけど…、手伝ってくれる気配すらございません。

この悪魔めっ((さっき言ってたことの真逆


『かずよ!返しなさい!



ふっふー♪かずままに言いつけるよ?』


良いこと思いつーいた♪

因みにかずままは怒ると男顔負けの怖さでかずも逆らえないの。

因みに私は怒られた記憶はございません☆

かず「はぁ?
毎日毎日わざわざ起こしに行ってやってる俺の苦労を知らずに言うとかお前悪魔か!!」


そう、かずは目覚まし時計ならぬ人間時計なのです!

家が隣だからさぁ、ちっちゃい頃から起こしに来てくれるんだよねー。


『そ、そんなの頼んでないじゃん!!』

かず「嘘つけ!俺が行ってやらないと夜まで寝てるくせしてよく言うなこんにゃろ!」


『なっ!!
それ何年前の話?!私もうきっと普通に起きれると思うよ?!』


晴瑠「あー…確信系じゃないわけね。」


『晴瑠まで!
ちょっと!とりあえず早く私の愛しのいちごみるく返してーっ!』

かず「仕方ねぇな、甘党のチビ。」


な、な、甘党のチビですって?!

聞き捨てなりませんな!


『こんのノッポ!!』

麻生くんはきっとチビなんて言わないよ!!


ほんっとにもーー……。

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