初恋は、許されない恋でした。
麻生「あいつのところには行かないで。」


『へ……?』


麻生「……っ、ごめん、なんでもない。」


一瞬、麻生くんが何を言ってるのか理解出来なかった。


『かずのこと……ですか?』


麻生「…敬語、直せてないよ。
お腹すいた。食べよ。」


嫉妬……?
な、なわけないかっ!
まさか私になんか……ね?

『う、うんっ……』


麻生「美鈴のお弁当、美味しそう…。」


お弁当箱を開けると、麻生くんがキラキラした顔で覗き込んできた。

麻生くんこそ……
重箱に入ってるお弁当の中は高級料理ばかり。

庶民的な私とは違いすぎるよーー…。


『あ、麻生くんこそ、凄く綺麗なお弁当……っ』

麻生「そ?俺は美鈴のお弁当の方が好き。」


す、す、好き……?!?!
あ、やばい、幻覚見そう……

麻生「そのお弁当、美鈴が作ったの?」


『う、うん……っ、
お母さん朝は仕事で忙しいから…
よ、よかったら、このお弁当、食べる?』

麻生「いいの?美鈴のは?」

『わ、私はいらないから……』

そういうと無表情な顔を更に不満そうな顔にして私を見てきた。

……そ、そんな目で見られてもかっこいいものはかっこいいです…はい。

麻生「お腹、減ってるでしょ。
俺のお弁当、よかったら食べて。
一応シェフが作ったものだから不味くないと思う。」

シェ、シェフ……!!
そんな言葉1回でいいから使ってみたいね、うん。


『私のお弁当不味いかも……』

麻生「ほら、交換。」


う…っ……
美味しくありますよーに……!!!
不味かったら死ぬ覚悟あります、ハイ。

『ど、どーかな……??』

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