とあるカップルの過ごし方
「危ない危ない……凍死するところだったよ」
そう言いながら、こたつによいせ、と潜り込む
来客中だからさすがに寝そべることは無い
それに……一応、彼氏の前だし。と今更ながら猫をかぶってみる
こたつの中で体操座りをする
両手もこたつに突っ込む
ふぅ……ぬくぬく
生き返るぅ…………
冬休みはずっとここに引きこもろうかな……?
「…………」
……はっ!
玲央くんの存在忘れてたっ!!!
こたつは味方であると同時に敵でもあるんだ……
よくわからないって?
こたつはあったかい。便利。私の味方!
だけど、たまに誘惑しすぎて私をダメにしちゃうし、今みたいに夢中にさせちゃってほかの事を忘れさせちゃうんだ……
大好きな玲央くんをも忘れさせてしまうなんて、恐ろしい
ぱっと慌てて玲央くんの方を見ると、こたつに入らず立ったまま、じとーっと私を半目で睨んでいる
せっかくのイケメンさんが台無しだよ!!?
「玲央くんも一緒に……」
「デートしたい」
むぅぅぅ……せっかくこたつに入ろうよって誘おうと思ったのに!!!
っていうか……た、確かに5ヶ月経っててもデートは……2回くらいしかしたことないけどさぁ……?
何も今日じゃなくてもいいじゃん!
クリスマスって外に出かけると、友達と遭遇する確率大だし、なにより寒いし……こたつと離れ離れになっちゃうし……
「デートしたい」
「…………」
心の中でたくさん言い訳するものの、結局はどれも口に出せず……念押しされるように言われてしまった