運命的政略結婚~白衣の悪魔に魅入られて~


お互いの言葉に微笑み合うと、胸に熱い気持ちがこみ上げた。

まだ式は始まっていないというのに、キスを済ませてしまったうえ、先に愛を誓い合ってしまう私たちだけど……まあ、仕方がないか。夫は悪魔なんだもの。

その証拠に、ほら……また、妖しげなフェロモンの香りが……。


「ありがとう。幸せにしてくれるということは……やっぱり、ドレス、脱ぐ?」

「そういう意味じゃありません! もう、全然反省してないっ」

「あーあ、夜までおあずけか……」


不貞腐れる悪魔な彼の手を取って、そろそろ行きますよ!と控室を出る。

私の手を握り返す大きな手は、強く優しく……繋いでいるだけで、愛情が伝わってくるようだった。


この先、私たち夫婦にまだ政略結婚がどうのという人々がいるとしたら、そのたびに教えてあげよう。

愛がないだなんて思うなら、大間違い。私たち、運命に導かれて結婚したんですよって。

笑われても、呆れられても構わない。

その嘘みたいな奇跡を誰より信じているのは、他でもない、私たち二人だから。










運命的政略結婚~白衣の悪魔に魅入られて~


END



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