愛されたい、ただそれだけ
お葬式も終わり、従兄弟は骨になった。
それを緑の多い山の上の方に埋めた。


私は小学校三年生になる。その頃から少しお母さんとのあいだに不思議な蟠りのようなものができた。好きなのに、うまくどう接したらいいのかわからない。思春期のようなものか。
私のお母さんとお父さんは、ほかの人のお母さんやお父さんと比べると、うんと年上。それが少し恥ずかしいと思ってしまった。授業参観も秘密にした。
今思えば本当になんて残酷で悲しいことをしたんだろうと思う。
家に帰ってからも、友達とばっか遊んでいた。それでもやっぱり親は好きだった。でも友達と仲良くする時、親のことを言われると、足りない脳みそがグチャグチャした。私の団地は公務員が多くて、ご近所でギスギスした感じがよくあった。私の親は公務員じゃないから仲間はずれなの?あのこと遊んでいいとか、遊んじゃダメとか、沢山よくわからないルールがあったようだった。私は遊びたくても、親のことでたくさん制限をかけられることが辛かった。人との付き合い方がよくわからなくなってきたのはこの時からかもしれない。両親には相談できるわけもない。

自分が優位に立つには、その人よりいいものを持ってなくてはいけない。強く見せるためには人を傷つけることで優位になる。みんなだって人を見下して蹴落として、優位に立って「いいないいな」って、人を集めてる。
私は自分より音ってそうな人間を馬鹿にして、毎日生きていた。

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