眠らせ森の恋
仕事の出来ない後輩に見下ろされるというその体勢もカチンと来る要因のひとつかもしれないと冷静に分析していると、英里は、
「なによ、あんた。
いつも西和田さんと居て、仕事出来ないフリしてあれこれ訊いて」
と言ってくる。
いや、いつも西和田さんと居るのは、決まった所属がないから、秘書室に居る機会が多いからで。
あと、西和田さんは、新人の面倒を見る係だからですよ、と思っていたが、口に出すと、余計キレられそうなので、黙っていた。
そういえば、今、仕事出来ないフリと言ってくれたが。
ということは、この人は、私は仕事が出来る、と思ってくれているということだろうか?
なんだか此処へ来て、初めて認められた気がして、思わず、
「ありがとうございます」
と英里の手を握ってしまう。
すぐに、
「なんなのよっ、あんたはっ」
と振りほどかれてしまったが。
「なによ、あんた。
いつも西和田さんと居て、仕事出来ないフリしてあれこれ訊いて」
と言ってくる。
いや、いつも西和田さんと居るのは、決まった所属がないから、秘書室に居る機会が多いからで。
あと、西和田さんは、新人の面倒を見る係だからですよ、と思っていたが、口に出すと、余計キレられそうなので、黙っていた。
そういえば、今、仕事出来ないフリと言ってくれたが。
ということは、この人は、私は仕事が出来る、と思ってくれているということだろうか?
なんだか此処へ来て、初めて認められた気がして、思わず、
「ありがとうございます」
と英里の手を握ってしまう。
すぐに、
「なんなのよっ、あんたはっ」
と振りほどかれてしまったが。