眠らせ森の恋
 しかし、なるほど、わかりやすい人だ、と思いながら、
「あのー、田宮さん、西和田さんと居たいのなら、なにか間抜けなことをされてみてはどうでしょうか。

 専務づきの秘書から降ろされて、ずっと秘書室に居られますよ。

 西和田さんは秘書室に居ることも多いですから」
と言って、

「……あんた、何処まで正気?」
と言われてしまう。

「莫迦じゃないの。なんでそこまでしなくちゃいけないのよ。

 っていうか、仕事出来ない女になったら、西和田さんに白い目で見られちゃうじゃないのよ」
と言う英里に、

「そうでしょう?」
と畳みかけるようにつぐみは言った。

「ですから、私も今、まさに、西和田さんに白い目で見られ、使えない危険人物として、目を付けられているところです。

 田宮さんがご心配されているようなことはなにもありませんよ」
と言うと、私がなに心配してるって言うのよっ、と英里はまたキレる。
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