眠らせ森の恋
「もうっ、なんなの、この子っ。
 行くわよ、正美っ」
とようやく給湯室の前を退いてくれた。

 連れられて去りながら、正美が振り返り、ごめんね、と片手を上げて無言で謝ってくれた。

 あの人もマイペースなご友人に振り回されて大変そうだな、とつぐみは同情気味にそれを見送った。






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