眠らせ森の恋
「しかも、なんで、すべてNHK……」

「蘊蓄うんちくがあるのが好きなんです。
 ああ、これはこれに効くんだな~と思いながら、作って食べさせたいと言うか」

 食べさせたい、と口にしたとき、すぐに、目の前に居る奏汰の姿が頭に浮かんだ。

 まあ、他の人のために料理作ってあげたことあまりないもんな、と言い訳のように思っていると、奏汰は勝手にリモコンで録画してある料理番組を検索しながら、

「おっ。これなんかいいじゃないか」
と言ってきた。

 天然木の曲げわっぱのお弁当箱に入ったお弁当が画面に出ていた。

「お弁当ですよ、それ」
と言うと、奏汰はテレビを見たまま、

「作って来い」
と言ってきた。

 は?

「明日じゃなくてもいいから、近いうちにお弁当作ってこい」
とその番組を再生しながら、奏汰は言う。





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