眠らせ森の恋
社長、横恋慕です
 



 つぐみたちは、三人で空いている小会議室で食べたのだが、結局、おかずを見た英里たちが食べたそうにしたので、少し分けてあげた。

「あら、あんた意外な料理上手じゃない」

「でも、もうちょっとアレンジを加えられるといいんですけど。
 まだまだなので、とりあえず、きっちり、分量測ってレシピ通りにやってます」
と言うと、英里が、

「理科の実験みたいね」
と笑う。

 確かに、白衣を着て、フラスコを持って、やっているくらいの勢いだ。

「書かれている通りに正確にやれば、必ずぼちぼちな感じには仕上がるので、楽しいと言えば、楽しいですね」

 本来、ざっくりした性格なので、家では目分量もいいとこだったのだが、まずいものを奏汰に食べさせるわけにはいかないので、今はきちんと計測しながらやっていた。

 正美が笑い、
「だったら、お菓子作りに向いてるわよね。
 あれこそ、きっちり測るのがポイントだもんね」
と言ってくる。
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