眠らせ森の恋
 おお。
 南国リゾートで出て来る食事のようだ。

 こんなの毎日食べてる人居るのか、と思い眺めたあとで、なんとなく、英里を見る。

 なによ、と英里は引き気味に言ったあとで、
「料理はしないからよく知らないわ」
と言ってきた。

「此処で料理することないじゃない。
 仕事でいらないものだから、わざわざ調べて頑張ったりしないわ」

 そう英里は言う。

 なるほど。
 合理的な人だ。
 一応、幾つかサイトを教えてくれながら、

「入った頃、私もあんたみたいにお茶淹れるの、ど下手くそで、よく専務がお茶残されてたんで、頑張ろうって思ったのよ」

 だから、お茶に関しては調べたけどね、と言ってくる。

 ふーん、と感心して聞いていた。

 だが、
「立派な方ですね、英里さん」
とうっかり言って、

「だから、なんでまた、あんた上から~っ」
と睨まれてしまう。

 ……いや、全然、上からなつもりはなかったのだが、と思いながら、廊下に出ると、隣りの会議室から西和田たちが出て来た。

 此処でお昼にしたらしい。
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