眠らせ森の恋
女性ほど匂いとか気にしないからだろうかな、と思いながら、
「私もニンニク料理好きなんですけど。
結構料理すると、手に匂いついて取れないですよね。
いつか、お母さんの趣味の家庭菜園で大量にトマトが取れたとき、パスタ用のトマトソース、大量に作ったんですけど。もう寝てても寝ててもニンニクです」
と言って、手の甲を嗅ぐ真似をして見せると、奏汰は笑い、
「俺もだ」
と言って、つぐみの鼻と口に手の甲をぶつけてきた。
いてっ、と言って奏汰を見ると、奏汰が笑う。
一緒に暮らすようになっても、いつも構えているような奏汰の気を許した笑顔にどきりとしてしまった。
「……つぐみ」
「はい」
「なんで俺のものにならない?」
ストレートにそう言われて、つぐみは言葉に困る。
でも、このままなにも言わずに逃げるのも違う気がして、今日は目はそらさずに、奏汰を見た。
「私もニンニク料理好きなんですけど。
結構料理すると、手に匂いついて取れないですよね。
いつか、お母さんの趣味の家庭菜園で大量にトマトが取れたとき、パスタ用のトマトソース、大量に作ったんですけど。もう寝てても寝ててもニンニクです」
と言って、手の甲を嗅ぐ真似をして見せると、奏汰は笑い、
「俺もだ」
と言って、つぐみの鼻と口に手の甲をぶつけてきた。
いてっ、と言って奏汰を見ると、奏汰が笑う。
一緒に暮らすようになっても、いつも構えているような奏汰の気を許した笑顔にどきりとしてしまった。
「……つぐみ」
「はい」
「なんで俺のものにならない?」
ストレートにそう言われて、つぐみは言葉に困る。
でも、このままなにも言わずに逃げるのも違う気がして、今日は目はそらさずに、奏汰を見た。