眠らせ森の恋
 無意識のうちにか、
「美味しい……」
とまた呟いたつぐみの横顔を見ながら、

「……人になにかしてやるってのもいいもんだな」
と呟くと、

「え? なにか言いました?」
とこちらを見たつぐみが、

「あ、そうだ。
 明日、奏汰さんに、違う毛糸と編み棒買ってきてあげますよ。

 今度は私が奏汰さんが編むのを手伝ってあげますねっ」
と笑顔で言ってくる。

「いや……結構だ」





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