眠らせ森の恋
西和田が去って、しばらくひとりで仕事をしていた奏汰の許に、ノックをして、つぐみが現れた。
「社長、お茶ですっ」
と突き出してくるが。
いや、頼んでないんだが……と思う。
つぐみは何故か手に紙袋を持っている。
「脱いでくださいっ」
「此処でか。
なにをだ?」
セーターに決まってるじゃないですかっ、とつぐみは勝手に服を脱がそうとする。
「莫迦、やめろっ」
と言ったが、
「みんながセーター見せろって言うんですっ。
あの状態から、そんな一気に出来るわけないって。
早く脱いでっ」
私、嘘つきになっちゃいますっ、とつぐみは言って無理やり、デスクに自分を押し付け、スーツのボタンを外してくる。
襲われる……と思った。