眠らせ森の恋
なにもさせてはくれないのにな、と奏汰が言うと、英里が、
「……あんた社長になにさせてんのよ。
っていうか、なにしてたのよ。
一服盛ってたの?」
と訊いてくる。
「まあ、いい会合だったんじゃないですか」
いきなり、真後ろで声がして、うわっとつぐみたちは振り向く。
専務が立っていた。
「社長は今まで隙がなさ過ぎて。
常に上から物を言ってくるし。
形だけ頭を下げても、下げてる感じなかったし」
と笑った顔のまま専務は言う。
奏汰さん……。
専務にまでそうだったんですね、と思いながら、つぐみは聞いていた。
「今日は会議としてはどうかと思いますが、初めて社長の人間味が見えてよかったんじゃないですか?」
幾ら仕事が出来ても、隙のない、機械みたいな人間じゃ、応援しようという気にならない、と言う。
「そこのお嬢さんの言う通りですよ。
考えてみれば、いいところもないでもないでもない」
奏汰はその程度なんですか、という顔をしていたが、専務は、ははは、と笑う。
「……あんた社長になにさせてんのよ。
っていうか、なにしてたのよ。
一服盛ってたの?」
と訊いてくる。
「まあ、いい会合だったんじゃないですか」
いきなり、真後ろで声がして、うわっとつぐみたちは振り向く。
専務が立っていた。
「社長は今まで隙がなさ過ぎて。
常に上から物を言ってくるし。
形だけ頭を下げても、下げてる感じなかったし」
と笑った顔のまま専務は言う。
奏汰さん……。
専務にまでそうだったんですね、と思いながら、つぐみは聞いていた。
「今日は会議としてはどうかと思いますが、初めて社長の人間味が見えてよかったんじゃないですか?」
幾ら仕事が出来ても、隙のない、機械みたいな人間じゃ、応援しようという気にならない、と言う。
「そこのお嬢さんの言う通りですよ。
考えてみれば、いいところもないでもないでもない」
奏汰はその程度なんですか、という顔をしていたが、専務は、ははは、と笑う。