眠らせ森の恋
エピローグ ~どうやらこれもご縁のようです~
「今日の夕食は、コンビニの唐揚げですー」
次の日、つぐみは帰りにコンビニで買ってきたお惣菜をテーブルに並べていた。
まだ風邪で胃が、と言う奏汰は、椅子を引きながら、
「だんだん手抜きになってきたな」
と呟いていた。
「そんなことありません。
わざわざ西和田さんが働いてた系列のコンビニまで買いに行ったんですよ。
近くにないのに、美味しいって言うから」
とつぐみは一応、その一手間を訴えてみる。
「あ、揚げ物、まだつらいなら。
昨日のすっぽんの雑炊もありますよ」
「すっぽんはいいな」
と奏汰は笑う。
「滋養強壮にいいからな」
と意味ありげにこちらを見て言うが、そうですか、と流した。
「ところで、風邪、あっさり治りましたね」
と言うと、奏汰は、しれっとした顔で、
「やはり気の持ちようだったようだ」
と言ってくる。