眠らせ森の恋
奏汰に説明はいらないだろうが。
イギリスで古くから、風邪のとき呑まれるホットカクテル、ホット・バタード・ラムだ。
「あ、そうだ。
シナモンを」
とシナモンスティックをグラスにさそうとしたつぐみの手を奏汰がつかむ。
「つぐみ……」
と囁き、見つめてくる。
「あのー、呑んでください」
「つぐみ」
と引き寄せようとする。
いや、間にカウンターありますし。
「まず、呑んでください」
と言うと、
「じゃあ、呑んだら、いいのか?」
と訊いてきた。
いえ、そういう意味では……。
そして、人が一生懸命作ったものをただの通過点みたいに言うのはやめてください、と思ったのだが、奏汰は視線をそらさず、自分を見つめている。
イギリスで古くから、風邪のとき呑まれるホットカクテル、ホット・バタード・ラムだ。
「あ、そうだ。
シナモンを」
とシナモンスティックをグラスにさそうとしたつぐみの手を奏汰がつかむ。
「つぐみ……」
と囁き、見つめてくる。
「あのー、呑んでください」
「つぐみ」
と引き寄せようとする。
いや、間にカウンターありますし。
「まず、呑んでください」
と言うと、
「じゃあ、呑んだら、いいのか?」
と訊いてきた。
いえ、そういう意味では……。
そして、人が一生懸命作ったものをただの通過点みたいに言うのはやめてください、と思ったのだが、奏汰は視線をそらさず、自分を見つめている。