眠らせ森の恋
 此処で訂正しておかないと、西和田さんの中で、私は既に社長に手篭にされたことになってしまう、とは思っていたのだが、今、それを正す元気はなかった。

 西和田はチョコレートの扉を振り返りながら、
「お前、相手が、あの社長でなんの不満があるんだ」
と言っている。

「いやあの、西和田さん、敵なんですよね?」
と思わず、確認してしまった。





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