(完)最後の君に、輝く色を
枯色
私が描きたいものは当たり前にどこにでもあるものなんかじゃない。



例えばそう、




蝶々のように捉えたくて、得たかと思えば簡単に美しくすりぬけていくもの



昔、階段から落ちて頭を打った時の火花を散らすような衝撃、閃光のようなもの



だけどそれらは全て天才少女だった時の感覚が教えてくれたもので



全盛期を過ぎた私の脳は美しさも衝撃も閃光も感じない。



もはや私は余生を送っているようなものだ。



いつかあの感覚を取り戻すかもしれないなんて夢を見て、進まない筆を進んでいるように見せかけてキャンパスの中に描いているのだ。



果てしない孤独感と、どうしようもない絶望感、そしてほんの少しの希望を




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