(完)最後の君に、輝く色を
緋色
飛鳥が来なくなってから約一ヶ月が過ぎた。



もうすぐ二年生が終わってしまう。



なんで、どうしていなくなったの?



あの日またねって言ったのに、約束したのに。


二週間を過ぎたあたりから私は聞き込み調査を始めた。



あんな目立つルックスなのだ。



誰か一人は知ってるはず。



そう思ったのに有力な情報は得られず、時間だけが過ぎていく。



今日も朝早く来て、すれ違う人たちに勇気を出して聞いてみた。



前の私なら絶対出来なかったけど、もうがむしゃらにならざるを得ない。



それでもやっぱりダメだった。



さすがに休み時間落ち込んでいたら、蒼が心配そうに訪ねて来た。



「まだ見つからないの?そのアスカくん」



近くにいた瑠衣も話に入って来た。


瑠衣は結構面白がってる。この話を。



「つか、アスカくんはなんで屋上にしかいなかったんだろうね?もしかして幽霊だったりして」




でも、今の私はそんな冗談だって笑えない。



「飛鳥は幽霊じゃないから!」



「瑠衣、夏実が真剣なことわかってんでしょう?馬鹿にするようなこと言わないで」



「あーー、ごめん、夏実」






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