(完)最後の君に、輝く色を
保健室には当てがある。



今日登校して来てますように。



心の中で祈りながら全速力で走り続ける。



「あれ、夏実!」



その声に心臓が音を鳴らす。



よかった、会えた。



「京子ちゃん!私聞きたいことがあるの!
あのね、」



「えっ、もうチャイムなっちゃうよ?」



「そんなのどうでもいいの!」



「夏実…とりあえず落ち着いて、部屋入ろ?」


「でも」



「先生今出張中なの。私鍵任されてるから、気分悪くて保健室で寝てたっていう設定にしようよ」



その言葉に安心して、京子ちゃんの後を追って保健室に入った。



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