(完)最後の君に、輝く色を
保健室に入って、向かい合って椅子に座る。



息もつかずに私は単刀直入に聞いた。



「京子ちゃん、納戸飛鳥って知ってるよね?」



その瞬間、京子ちゃんは目を見開いて私をしばらく見つめた。



その反応が私の質問に対しての肯定を示している。



「お願い!教えて!飛鳥は今どこにいるの!」



しばらくしてから、京子ちゃんは穏やかに微笑んで息を吐いた。



「夏実だったんだ」



そうポツリと呟いた瞬間、制服のポケットから便箋らしきものを取り出した。



そして、私の前にそれを置いて。



険しい表情で話し出した。




「飛鳥は私の幼馴染みたいなもんかな。
生まれた時から同じ病院で一緒に病気と闘って来た。
あいつは私よりも重い病気を抱えてる。
明日生きているわからない恐怖と14年間戦って来ている」



体が無意識に震えていた。



何一つ知らなかった。



私、何も知らないで、飛鳥の前で何度弱音を吐いた?



何度傷つけたの?







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