(完)最後の君に、輝く色を
春が過ぎ、夏が過ぎ、秋も超え、飛鳥と出会った季節に戻ってきた。



送らない手紙を書き始めてこれで何通目だろう。



「なーつーみー。テレビ見たよ。もうすっかり有名人じゃね?」



勢いよくドアを開けて入ってきた彼女は、私の向かいの椅子にドンっと腰を下ろして頬杖をついた。



手紙を折って、となりに置いて目を合わせる。



「もうそろそろ面倒になってきたけどね」



「はんっ、調子乗ってんじゃねえよ」



「口わる」



相手はなんと、あの平田ガールズのリーダー格だったナナだ。



あの後、あとの2人はいつのまにかやめていたけど、ナナだけは性懲りも無く残って、平田先生を追い回していた。



口は悪いし、性格もひねくれてるけど、芯の強いナナには何度か救われて、



なんだかんだ、こんな関係なんだ。



「いやあ、でも人っていつ何が起こるかわかんないわ」



「ナナと仲良くなるとかね、全く想像してなかった」



「そのことじゃねえよ、アンタが有名になったことだっつの」



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