(完)最後の君に、輝く色を
「私も屋上の鍵借りようと思って職員室に行ってたの。
ちょうどよかった。鍵は?」



「あーそれが」



先生は苦笑いして、頭をポリポリとかいた。



「なんか今日見たらなくなってたんだよな」



はい?



なくなってたと?



想像してなかった事態に思わず先生を睨み付けると、先生は慌てたように喋り出した。



「いや、昨日まであったんだぞ?だーけーどー、今日見たらさーー」



「はあ、もう知らない」



一人でダラダラ言い訳をし続ける先生に呆れて、踵を返して教室に戻ろうとすると、



「誰か使ってるかもよ?行ってみたら?」



「そうだね、寒い中行ってくるね、凍え死にそうになったら先生のせいだってダイニングメッセージ残して死ぬから」



嫌みったらしく言ってやる。



「惜しい、ダイイングメッセージだな」



「大っ嫌い」




言い放って、私は二階に続く階段に走った。




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