(完)最後の君に、輝く色を
「いやあ、あれうちだったら確実に惚れてるあ」



5限目の休み時間に3人は私の席の周りにぞろぞろと集まってきた。



特に瑠衣は興奮した様子で、何度も同じ話を繰り返している。



「たしかにかっこよかったけど、さすがに中学生と教師はないでしょ」



蒼が呆れた顔でそう返す。



「ふん、ペリーから夏実を守らなかったくせに」



鼻息を巻いてそう言い返す瑠衣にムッとした顔で優菜と蒼が見合った。



「失礼ね、私は絶妙なタイミングで先生授業してくださいっていうつもりだった」



「私もっ、ペリーの靴に画鋲入れて、不幸の手紙送るつもりだったしっ」



「いや、不幸の手紙って昭和かよ」



いつだって、私はこの3人に守られてきた。



普通とはかけ離れているらしい私はなかなか友達ができなかった。



そんな私の全てを認めて受け入れてくれた初めての友達なんだ。



「ありがとね。みんな」



そう言って、笑うとみんなが笑い返してくれた。



< 43 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop