(完)最後の君に、輝く色を
花紫
次の日の昼休み、早速屋上に来たらちゃんと飛鳥はそこにいた。
それだけでほっとする私がいた。
とりあえず、スケッチブックにいくつか下書きを書こうと思って、飛鳥にいろんな場所でポーズをとってもらう。
「その柵の辺に立って、遠くを見て欲しいの。なんか魂抜けてる感じ」
「それ絶対アホ面になんだろ」
「大丈夫。元がかっこいいから問題ないよ」
「なんかうざいわ」
私は自分から話題を振るのは苦手で、大体いつも受け身の体制なんだけど、
飛鳥は私以上に何も喋らないから、なんとなく適当な話題を振ってみたら意外と答えは返ってきた。
思いのほか飛鳥は聞き上手だったみたいで、私はスケッチブックにその姿を描きながら、だんだん深い話までしてしまっていた。