(完)最後の君に、輝く色を
冷たい風が頰を打ち、髪を揺らす。



震える体は俺がまだ生きていることを教えてくれる。



いつもと変わらない景色に吐き気がする。



何度夢に見ただろう、もしもにあふれた世界に。



俺が当たり前に生きられる世界に。




バタンッ




ドアが開く音が聞こえ、直後に閉まる音が聞こえる。



少女はまたそこに立っていた。




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