(完)最後の君に、輝く色を
諦めて、飛鳥の顔を見ると、なぜか少し赤くなっていた。



どうしたんだろう、まさか風邪!?



確かに今日は一段と寒かったもんなあ。



飛鳥はいつもめちゃくちゃ着込んでるし、本当は超絶寒がりなのかも。



それを私が無理言って、いつも昼休みをここで過ごしてくれて…



ダメだダメだ。もうそんなこと頼んでられない。



飛鳥の体が壊れちゃう。




じーっと私が見つめていると、飛鳥は視線を逸らして、小さな声で呟いた。



「別にいいよ。お前がいないと暇だし」



必死でその言葉を聞き取って、思わず叫んでしまった。



「いいの!!風邪ひかない??」



「いいっつってんだろ。さっさと行けよ」



いつも以上の口の悪さで私の背中を押す。



「じゃあ、明日もくるねっ!じゃあね、飛鳥!」




押し出されながらも、1人で喋り続ける私に飛鳥はうんざりしながらも相槌を打ってくれた。



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