(完)最後の君に、輝く色を
「ただいまーっ!」



ぎりぎり、チャイムが鳴る前に間に合って陽気に隣の席の蒼に手を振ると、



蒼はため息をついて、椅子ごとこっちに向けて来た。



「あんた最近元気よねえ、昼休みまで絵描いてんでしょ?疲れないの?」



みんなには、昼休みも美術室で絵を描いていると言っている。



「ううん、絶好調」



「本当変なやつ。あっ、そういえば、次自習だってよ」



「え!嘘!やった!」



しまった、こんなことならもうちょい屋上にいればよかった。



< 77 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop