(完)最後の君に、輝く色を
「じゃあな」


美術室の鍵を閉めると、そう言って飛鳥は昇降口の方に歩いて言った。



私はこの鍵を返さなきゃいけない。



付いてきてくれたっていいのに。ケチ。



少し頬を膨らませて、反対方向に数歩歩いて立ち止まった。



聞かなきゃいけないことがあったんだった。



「明日屋上行っていい!?」



後ろ姿にそう叫ぶと、飛鳥は振り向いて呆れたように眉を曲げて笑った。



「おう」



安心して、大きく手を振った。



「また明日!」



そう投げかけると、飛鳥は後ろ姿のまま手を振った。




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