Xmas。


「お互い様ですね」



くすりと笑ってしまった私に対して悠さんもいつも通りの笑顔を向けてくれる。



「じゃあ、着替えてきますね」

「おーう」



ニカッとした笑顔でおたまを振って見送ってくれた。


そこそこおしゃれな隠れ家的なお店の制服の長いサロンエプロンに憧れてバイトを始めた。


裏で着替えてからホールに出ればキッチンから出てきている悠さんに迎えられた。




「タイムカード押したかー?」

「押しましたー」

「おーし。今日はちょっと忙しいと思うけど頑張ろうな」

「はーい」



相変わらず爽やかで可愛らしい笑顔を見せてくれる悠さんに私も笑顔になりながら答えた。



「由奈は彼氏と出掛けるからって明日も休みとってやがるから会った時に締めていいぞー」

「はーい」



キッチンに戻りながら話す後ろ姿に返事をしながら、私も開店の準備を始める。


お店は広くなくて、席は2人がけの席が3つ、カウンターの席が5席。

普段は常連さんがポツポツいらっしゃる感じでゆったりと過ごせるけど、今日はなんてったってクリスマス。


常連さんではない方もこのお店を発見してくださり、入ってきてくださることが多い。





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