Xmas。
「あずー」
「はいー?」
パスタを食べ終わった頃にいつ間にかキッチンにいる悠さんに呼ばれた。
「今日時間大丈夫?」
「はい、明日ここ来るまでは予定ないですけど」
足元の冷蔵庫を漁っていて姿が見えない悠さんを少し探しながら返事をする。
「ワイン飲める?」
「…飲んだことないです」
「あー、甘いお酒は飲める?」
「それは好きです」
「よし」
にゅっとカウンターにワインらしきものを片手に姿を現した。
「甘いワイン。俺のおごり。飲もうぜ」
「飲みます〜!ありがとうございます!」
悠さん特製のおつまみとワイングラスに注がれた白ワインを渡されて、悠さんが隣に座った。
「乾杯ー」
キンッとグラスのぶつかる音がして、なんだか大人になった気持ちになれた。
「おいしい」
「だろ?デザートワインってやつだな」
悠さんが満足そうに笑いながらワインを口にする。
「あ、うまいからってあんまり飲みすぎんなよ」
「はーい」
おつまみを食べながら心配性な悠さんに返事をする。
「やっぱり悠さんが作ってくれるものってなんでも美味しいですね」
「お前はうまそうに食べてくれるから作りがいがあるんだよな」
「おいしいからそんな顔になるんですよ」
「おぉ…ありがとな」
照れ臭そうに笑う悠さんを見て満足してからまたワインに手を伸ばした。