琥珀の奇蹟-WOMEN-
これって、まさか…依存?
隆弘がいないと、私、何もできないダメな女になってるってこと?
いやいや、そんなことは無いはずだと強く否定するも、今日会えなかっただけで、こんなにもモヤモヤするなんて…と、心配になる。
”ピーッピーッピーッ”
浴室で、お風呂が沸いた音が鳴り、ハタと、我に返る。
…今日は本当に、どうかしてる。
こんな気分の時は…と、腰かけていたベットから立ち上がり、浴室に向かうと、洗面の引き出しからガラスの小瓶を取り出し、特別な時にだけ入れることにしている、透き通るような紫色のジェルボールを一粒取り出す。
それを、今沸いたばかりの湯船にポトリと落とすと、程なくして浴室いっぱいに、優しいラベンダーの香りが広がった。
そのまま服を脱ぎ浴室に入ると、冷えた身体に、頭の上から熱いシャワーを浴びる。
さっきまで、氷のように冷たかった髪も頬も、少しづつ溶けていく。
ゆっくりと時間をかけて髪と身体を洗うと、長湯をするために、少しぬるめに炊いた湯船に、身体を鎮めた。
紫がかった乳白色の湯は、肌にさらさらと気持ちよく、大きく息を吸うと、ラベンダーの柔らかな香りが体の芯から、癒してくれている。
狭いながらも、足を延ばし両腕をバスタブの縁に乗せ、目閉じる。
そうして浮かぶのは、やっぱり今日会えなかった恋人の姿。