琥珀の奇蹟-WOMEN-
『…だったら嬉しいな…あ、でもね、ホントに気にしなくてもいいの。だって仕事だし、隆弘が今大変なのも、ちゃんとわかってるから、だから心配なんていらな…ンッ』
チクリと、首の付け根に甘く小さな痛みが走り、瞬間、隆弘がそこに、強く口づけたのだとわかった。
『ちょっ、何すんのよ』
『バカ…そこは、素直に会いたかったって言えよ』
ドキッ…心を読まれてる?…そんな有り得ない錯覚に陥る。
確かに、ついまたいつもの癖で、自分の気持ちを誤魔化してしまった。
『言っとくが、お前だけじゃないからな』
今度は、少しだけ手の力を緩め、大切なものを扱うように優しく抱きしめ直すと、『俺だって…』と頭上から囁かれる。
最後まで言わないのは、男のプライドなのかもしれない。
『そんなの、言ってくれなきゃわからないよ』
『それはお互いだろ?…だいたい、聞き分けが良すぎるのも、どうかと思うぞ』
『何よソレ、我儘言って困らせた方が良かった?』
『…ああ、我慢されて、その間に他の男に取られるよりはな…』
『?…なんの話よ?』
そういうと、抱きしめていた手を放し、やっと身体を解放してくれたと思ったら、直ぐに大きな左手で右の手首を取られ、強引に振り向かされる。
そうして、次の瞬間、右手で頭を押さえられ、少し強引に唇を奪われた。