琥珀の奇蹟-WOMEN-
柚希④
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12月26日
午前6:15
いつもの時刻に目が覚めた。
どんなに夜が遅くても、不思議とこの時間に目覚めてしまうのは、毎朝の習慣だからだろうか。
隣を見ると、一糸まとわぬ姿で、眠り続ける隆弘。
結局、昨夜は予告通り、アロマの力で隆弘の気が変わることもなく、よく温まった身体でラベンダーの香りに包まれながら、何度も啼かされてしまった。
そもそも、肌を重ねることさえ久しかったように思う。
昨夜、隆弘によって自分の身体中に打たれた刻印が、恥ずかしくも幸福の証のように思うと、嬉しくてたまらなくなる。
とはいえ、今日は平日で、互いにこれから仕事。
その余韻にゆっくり浸っている時間はない。
天候が気になり、隆弘を覚めさせないようにスッと布団から抜け出し、少しけだるさの残る素肌に下着だけつけると、ベットから滑り落ちてしまった毛布に包まり、窓辺に向かう。
カーテンの隙間から、チラリと外を眺める。
真冬のこの時刻。
まだ辺りは薄暗いけれど、どうやらとっくに雪もやみ、車道を走る車も問題なく行き交っているようだった。