〜single mother〜切なすぎる恋



私は必死に自分の中にある気持ちを
ごまかそうとした。酔っ払ってるからだ。
久々に異性と話をし、なにか女の部分が
少しだけ出ただけ。この人だからとかじゃ
なくてただ単にお酒が入ってるからだ。
そう信じて…。





フェスもラストスパート。
音と照明がかなりの盛り上がりを見せ
フェスが幕を閉じた。
祐が言った。
「携帯の番号教えて」
私は迷ったが教えてしまった。
「090-xxxx-xxxxだよ」

その場でユリもサヤも祐の友達二人とは
さよならを交わした。
ユリが言った。
「なんか寒いしラーメン食べに行こ!
あ!そーいえばさ、舞とあのスラっと
した男となに話してたの?」
そこにサヤも口を開いた。
「舞が男と話すの本当に珍しいよね!」

私は内心動揺していたが、答えた。
「ただ単に話しやすかったから話しただけだよ」
二人わ口を揃え「優しそうだったしね!ね、サヤ!」
「ユリのタイプではないね!笑」
とサヤも笑って言った。
盛り上がりながらラーメン屋についた。

この地域は田舎だ。
ラーメン屋は都心みたいに多くない。
昔から夫婦でやっている古びたラーメン屋
だったがお腹も空いていたためそこにした。
味は普通だったけれど寒さに答えた
身体にはありがたかった。

ラーメンを食べて私のスマートフォンが鳴った。

〜♪
「帰れた?」
祐からだ。ショートメールだった。
「うんいま帰り。」
とても冷たいメールを送った。
そこで祐からの連絡は途切れた。
やっぱりね。よかったのかもしれない。
私という人間を知ったら祐は引いちゃう。
シングルマザーに恋をしてくれる人間は
果たしているのかと思っていたが
やっぱり居ないか。と納得してしまった。
たった一人の男の態度と行動で。
みんな男は一緒だと決めつけて居たからだ。

家に帰るため駅に向かった。
ユリとサヤとバイバイをして私は電車に
乗った。座れる場所を探し確保すると
今日あった出来事を振り返りながら
目を瞑った。私はそのまま眠ってしまった。



!!「ドアが閉まりますご注意下さい」
アナウンスとともに起きた私は急いで
最寄駅に降りた。乗り過ごすとこだった。
身体にはアルコールが入っていたためか
疲労はピーク。
最寄駅の外に一台のタクシー。
それに乗って私は自宅へ帰った。


家に着いてベットにバタンと倒れた。
朝日が眩しい。知らない間に朝を
迎えていた。
目を冷ますためにシャワーを浴びた。

その日は子供達と公園に行く約束を
していたために急いで準備をした。
母に子供達を見ていてもらったため
「昨日はありがとう!」と言い
行ってきますと交わし子供達を連れ
公園に向かった。

沢山遊んで母親の私には子供達といる時は
派手さなんかなくいつもノーメイクだ。
昨日の自分は昔の自分みたいだった。

何時間居たのだろうか。
夕日が見えてきた。夕方になり自宅に帰宅。
「あんた達〜!汚いからお風呂入りなさい!」と私の母が言った。
私と子供達はお風呂に入りながらいつもの
ように歌を歌いながら水鉄砲で遊んだ。

子供達は今日昼寝をして居なかったために
19時には寝てしまった。
私はやることがないのでゴロゴロしていた。
スマートフォンが鳴る。
息を飲んだ。心拍数が上がる。


〜♪
「舞!いま〇〇駅で飲んでるんだけど
良かったら来ないかな?」
祐からだ。

私は断った。
「私さ、シングルマザーだから」

「そんなの関係ないぢゃん。仲間は仲間だ」
私は今まで閉ざしてきた心の扉を
この人に開けられた気がした。
私は思った。行こう。と…

私は返信をした。
「行く」
待ち合わせをして待っていると…。
目の前から歩いてきた男性。
すぐに祐だと分かった。

冷静さを保ちつつ駆け寄る。
「いきなり呼んでゴメンな!」
ドキッ…。昨日フェスで声をしっかり
聞き取れなくて大声を出しながら会話
していたため祐の普段の声を聞いたのは
初めてだったからだ。
意外と低い声で優しい口調。

私は答えた。
「暇だったから来た」
また会いたいから来たとは言えなかった。
自分の気持ちは一体なんなんだと
考えながらも祐の友達が飲んでる店に
二人で向かう。




店に入ると祐の友達のマサとカズがいた。
座って私はレモンサワーを頼んだ。

「乾杯ー!!!」
みんなの声とともに私は緊張していた。
男だらけの中に女一人。
久々に男の人と会話をした。

飲んでる最中に沢山のゲームが
繰り広げられた。
みんなもいい感じに酔っ払って来た。
私は決してお酒が強い方でもなくて
どちらかというと弱い方だ。

フラフラしてきて視界がぼやける。
一人ではとてもじゃないけど歩けない。
私は帰れないと思った。
終電も逃し、祐に連れて行かれるまま
ビジネスホテルに祐と一泊した。

マサとカズは相変わらず大好きな
キャバクラに行った。
私には未知の世界。

ホテルに入り祐は言った。
「絶対に何もしないから。女一人で
帰らすのはさすがに俺が誘ったし
最後まで責任持つから安心して休んでな」
私は「ありがとう」と言葉を交わし
その言葉を信じて重く火照った身体を
休ませるためにベットに入った。

ベットに入った瞬間にいつ寝たのか
分からないが朝起きると祐はソファーで
寝ていた。申し訳ない気持ちと私は
なぜここにいるんだろうと自分が
していることが分からなかった。


「舞。」
ビクッ…。私がとっさに出た声は
「ごめんなさい昨日はちょっと
飲みすぎちゃった〜!ハハッ。」
雰囲気をなんとか明るくしようと
頑張った。
「俺こそ飲ませすぎてゴメンね」
祐は微笑みながら言った。


チェックアウトの時間が近くなって
きたから二人は準備をし始めた。
外に出た時、やっぱり現実だと実感した。
いつもの朝だが今日はなぜか違う。

その日はバイバイを交わしお互い違う
路線に向かって歩き始めた。
バイバイをしてすぐスマートフォンが鳴った


〜♪
「舞!ありがとうまた会おう」
祐からだ。

舞「こちらこそありがとう」

祐「舞のこともっと知りたい」

舞「え?」

祐「俺はこれから沢山、舞との思い出
作っていきたいから」

舞「そうだね!」



そんなやりとりが続いた。
この人なら心を許してもいいと女として
信用しようと思えた。
この先何が起きるか知らずに…
< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop