過保護な御曹司とスイートライフ


「そういうつもりじゃ……」
「俺を旦那にしてみるか?」

出しっぱなしになっていた水を、成宮さんが止める。
でも私の手はまだ泡がついたままだ。だから、成宮さんが距離を縮めて迫ってきても逃げられない。

目の前まで迫った成宮さんが、触れるだけのキスをし……わずかに距離をとるとニッと口の端を吊り上げる。

のどかだったはずの雰囲気が、一気にしっとりと色づく。

「……どうする?」

色気の含まれた低い声に問われ、頭の奥がとろけだしたのを感じた。

私の足にもう鎖はない。
それは、隠れた優しさが見せていた幻だと気付いたから。

自由になった未来。
好きな場所にいていいのなら……私は、成宮さんの隣にいたいと思った。

「いつか、そうできたらいいな、とは……正直思います」

私が未来の希望を言葉にしたからか。
成宮さんはふわっとやわらかく微笑んでもう一度近づく。

「じゃあ、〝いつか〟俺の嫁になるって約束な」

たっぷりと時間をかけてキスしたあと、成宮さんは「その時がきたら、今度は俺からプロポーズする」とうれしそうに笑った。





END
2017.12.26



< 154 / 154 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:399

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

契約夫婦なのに、スパダリ御曹司は至極の愛を注ぎ続ける
  • 書籍化作品
表紙を見る
高嶺の社長と恋の真似事―甘い一夜だけでは満たされない―
pinori/著

総文字数/116,025

恋愛(キケン・ダーク)213ページ

表紙を見る
赤ちゃんを授かったら、一途な御曹司に執着溺愛されました
  • 書籍化作品
[原題]許嫁御曹司が秘めた、執着的溺愛
pinori/著

総文字数/136,193

恋愛(純愛)248ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop