Darkest White
Night 3
Welcome
光はその日、バイクで来ていた。
『……乗れ。』
そう言われ、だけど乗り方がわからなくて、結局舌打ちをされながらひょいっと持ち上げられて乗っけられた。
腹部が痛んだけど、顔に出ていなかったことをだけを期待したい。
そして光がわたしの腕を引っ張って、自分の腹に回させたから心底驚いた。
自分の震えが伝わっていなかったかが不安だ。
だけど、ありえないけれど…
筋肉が付いていて硬くなったその腹は、どこかわたしを安心させたんだ。
その温もりに触れているだけで、心の奥の緊張がほぐれたのはここだけの秘密だ。
そしてそのまま、わたしはあの日と全く変わっていない屋敷にたどり着いていた。
着いて早々自分の部屋を与えられた。光の隣の一室だった。まだベッドしかなかったから、買いに行こう、とだけ告げられた。
どうしてここまでしてくれているのかはわからなかったけど、とにかく、ホッとしたのは覚えている。
岬は、へえー、って感じでわたしを見つめ、『よっ。』と、あまり驚いた様子は見せず手を挙げた。
あれから二日。
今日、外出するらしい。