Darkest White

本音を言えば、お金がない、というのが一番の理由。

今月バイト結構サボったしな…。


「金なら俺が払うから、心配すんな。」


すっと流し目を向けられて、またキュッと胸が痛んだ。


「でも、そういうのよくないよ。」

「いいから買え。」

「でも、」

「黙って男に払わせろ。」


カア〜っと体温が上がって行くのがわかった。

なんなのそのセリフ。イケメンしか言わないやつ…って、イケメンか。


「何色?」

「え…」

「言え。」

「っと…白…?」


適当に答えれば、

「これかこれ。」

ってきっと光も適当であろう近くにあった白のフリルが着いたシャツを二枚手に取った。


4600円…くう、高い。

お弁当が2週間分…


「はあ、まじ選べ。」

「え、えっと…」

「じゃあ、こっち。」


と、このような調子で半時間も経たないうちに袋一つ分の買い物を終わらせた。


「ねえ、本当にお金、」

「黙れ。」

「…むう。」


これは絶対に折れないな、こいつ。

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