Darkest White
下ネタ連載でつかれたわたしが光を見れば、なんと口角をあげて悠々と笑っていた。
か…っ…こいい。
初めて見るかも。こんなにも…笑顔なあいつ。
シュッとしたキリ長の二重の瞳をキュッと細くさせ、薄い紅色の唇の間から白い歯が覗いている。少し長めの前髪が眉に触れ、白い頬がほんのりと桃色になっていた。
気持ち悪いと思われるかもしれないけれど、誰もが今の光をみれば、一度は足を止めて見入ってしまうほど、彼はかっこよかったんだ…。
わたしの視線に気づき顔を上げた光は、んだよ、って言ってそっぽを向いてしまったけれど、店の店員と言う店員が頬を赤らめていたのは言うまでもない。男性までも、だ。
結局数枚ほど買って店を出た。
そういえば今日も光の格好はおしゃれで余計に美形を引き立てている。
秋を強調させる茶色いトレンチコート、藍色のマフラー、そしてスタイルの良さを悔しいほど見せつけてくる黒のスキニーパンツ。よく街中で見かける格好だけど、光が着るだけで圧倒的格差を感じてしまうのは、わたしだけじゃないはず。
それにプラスして、男らしく引き締まった筋肉質な体ときてる。なのにキン肉マンのようなごつい印象を与えない彼は、無駄な脂肪のない細身で、とことん世の女子が憧れるイケメンを追求した少女漫画のメインキャラクターのようだ。
どうしてこんなにかっこいいのさ…。
一瞬でも惚れちゃうじゃんか、バカ。
「あ?」
まるでわたしの声が聞こえたかのように一歩先を歩いていた光が振り返る。
「なんでもないよバーカ!」
そういえば、機嫌わりいなって頭を軽く叩かれた。
光のそばにいるといつもの自分が崩れてゆく。だけどね、でもね、光…
あなたも、いつもと違うんだよ?
笑ったり、冗談言ったり、照れたり、ちょっと短気なところとか…
全部、新しい光なんだ。