Darkest White
「どっか寄るか?」
ふと光がわたしに問いかける。
意外と他人に気遣いができるところとか、前までは知らなかったよ。
自己中心だと思ってたけど、こうやってわたしの為に色々なことをしてくれているところとか、めちゃくちゃ良い人じゃん…
「うーん、アイスクリーム!」
「ははっ、子供かよ。」
「子供だし!」
小さい頃家族で食べに行ったっけ…美味しかったな。
「ほら行くぞ。」
こんなにも素敵な人と二人きり。これって…デート…っ?
やばい。いきなり焦ってきた!
えっと、えっと…えっと…
「何慌ててんだよ。」
「べ、別に〜!?」
「はっ、ウケる。」
だけどこれって…
いいの?
ふとずっと前岬が言った言葉が蘇る。
『惚れたら、縁切られるから。』
前方を少しだけだるそうに歩く光に視線を向ける。
どうしてこんなに…怖いの?
怖がることなんて、何もないじゃん…
所詮、家の主人と居候人だけなんだから…
「おっせえな、お前。」
「今行くし!」