Darkest White

Can we be a little closer...?



嘘かと思っていたけれど、光は本当にちゃんと学校に通っていた。


『お前、学校行けよな。』

『うん…!』


そうやって笑顔で頷く日々が数日ほど続いた。

今日もなんら変わりはない。


光は朝早くから起きている…いや、夜中から起きていると言った方がいいのだろうか?

だけどわたしもそんな彼と変わらず、早朝から起床してしまう。

なんだろう…今までの癖?かな。


常に3時半には完全にお目々ぱっちりだ。

だけどそんな朝早くから居候の身の自分がごそごそしたら迷惑な話だろうから、部屋にこもっている。


でも、そもそもひろーい家の住人は三人だけだから、そこまで騒音にはならないだろうけど…

うん…

やっぱり不気味さは離れない。


光はなんでここで岬と二人で暮らしているのだろうか…?

怖くて聞けないけど。


あの日買い物に行った時に机と簡単な収納ケースを揃えてくれた光に本当に感謝のみだ。

ベッドも寝心地がいいし、何不自由ない生活を送らせてもらっている。


ただ、たまに夢に見るんだ。


『おいで。』


そう呼ぶあの人を。


朝6時くらいに、わたしは台所に立って、何かできることはないかと冷蔵庫を開けた。


なんもないじゃん…。



「あ、おはよ!」


背後に誰かを感じ振り返れば、寝ぼけた表情をした岬が立っていた。


「んん、かわいい。」

「ちょ、なんですかそれ!」


岬はわたしよりも一個上らしいから、敬語は崩せずな状態だ。


「けーごいい加減直してー。」

「ごめん!」
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