Darkest White

光はちゃんと、『いただきます』、と言ってから食べる。それにちゃんとお皿洗いもしてくれる。


結構ちゃんとした人なんだ。

やっぱり人は外見で判断したらダメだよね。


「着替えてくる。」


そう言って光は一旦部屋に戻る。そう。光はこう見えても男子高校生。学校は制服だ。


そして(本当にやばいから)あらかじめ言っておこう。

光の制服姿は、失神するくらい、半端なくイケメンだ。

これは、もう、少女漫画の黒王子認定だ。


きた!


「わあ…。」


思わず声が漏れてしまい、光に鼻で笑われた、


「痴女。」

「はっ、は?!?」


だけどそんな時背後から視線を感じ振り返れば、岬が真剣な眼差しでわたしを見てた。

『ダメだよ』って、口パクで言ってる。

わかってる。好きになんて絶対にならないし、そもそも。


だけどやっぱ…イケメンは認めざるを得ない。

普段は大人な雰囲気だけど、制服をきただけで一気に男子高校生感が半端ない。

こんな同級生がいたら、毎日黄金の日々だろうなあ。


肩に鞄を手で背負うようにぶら下げる彼は、わたしに視線を向け、


「学校遅れんなよ。」


とだけ告げて玄関に向かう。


岬は仕事があるらしく(裏社会っぽいなあ)、光に続けて家を出る。


「いってらっしゃい!」


そう手を振れば、岬は笑顔で返してくれる。

光は完全スルーだけど。
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