Darkest White


「…男が、怖いのか。」



手の震えが収まらない。


もう治ったと思ったのに、また、腹部に激痛が走る。


「…ぅっ…。」


思わずお腹を抑える。


「…どうした。」

「なんも…っ、な、い。」


痛い…痛い…痛い…



『失せろっ!!』

『ごめんなさい!』

『消えろ!!』



どうしよう、どうしよう、どうしよう…


逃げてきた。

追ってくる。


逃げてきた。

置いてきた。


逃げてきた。

捨ててきたっ…


「置いてきたっ…置いてきたっ…逃げたっ…っ」


怖い、怖い、怖い、怖い…


「…ぃっ!おいっ、」


どこかで声が聞こえるけど、震えがどんどんと増して、息が吸えない。




助けてっ!!!!




ーギュッ

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