Darkest White
わたしは何も答えられない。
何も言えない。
声をなくした小鳥みたいに、人生の岐路で止まっている。
うつむく視界の先で、光の黒い靴がうごめく。
ぴたり。
それはわたしの前で止まる。
「学校は、楽しいか。」
光の吐息が頭上にかかる。
胸の奥がぎゅっと音を立てる。
そんな質問、しないでよっ…っ
学校なんて、いわないでよっ…。
光はいいね…いってるもんねっ
たのしいよねっ…
期末テストの前の緊張感とか、体育祭の声援とか、苦手な先生とか、好きな子が出来たりとか、購買に並んであんぱんを買ったりとか、全部全部、しってるだもんね…っ
いいよねっ…っ
いいな…っ
神様、どうして神様は、わたしを選んだのですか。
不幸せを配られたわたしは、いつ、幸せを掴めますか。